シルクロードウォーク(歩いた記録)

ウルムチにゴール(第3次シルクロードウォーク・隊長として参加・先頭の旗手は山本)
ウルムチにゴール(第3次シルクロードウォーク・隊長として参加・先頭の旗手は山本)
第2次シルクロードウォーク(ゴビタンの「将軍台」)
第2次シルクロードウォーク(ゴビタンの「将軍台」)

前人未踏のシルクロードウォーク 

 

 北国八戸にいて、暇のある学生でも冒険家でもないサラリーマンたちが集まって、行ったこともないシルクロードの調査から始まり、25年間かけ中国からイタリアのローマまで、6回の遠征で世界初の前人未踏のウォークイベントを成し遂げました。

 熱風、列風、猛暑。日射病による高熱、下痢、マメと筋肉痛。ありとあらゆる苦難に耐えながら歩き続けたゴビのシルクロードはまさに「ロマンの道」でした。

自分と闘い、友と酒を酌み交わし、満天の星を眺めながら眠り、ゴールでは中国の仲間と手を取り涙したあの時。すべての雑念を払い、一つのことをやり遂げた時の感動は、生涯忘れることのできない私の宝です。 

   ゴビタンの空見上げれば宇宙の色 地平につづく一本の路      光雪

隊員のユニフォームの背にはウイグル語で(シンジャンヤクシと読む)「新疆はすばらしい」という意味。これが大受けした。
隊員のユニフォームの背にはウイグル語で(シンジャンヤクシと読む)「新疆はすばらしい」という意味。これが大受けした。
天山山脈を越える
天山山脈を越える
腰にはピストルが見える
腰にはピストルが見える

ゴビタンの強風に悩ませられる

 

 風が強く、前にかがみになって歩かないと進めなかった。風で小石が飛んで来て身体や顔にぶつかり痛いほどであった。ここ「風庫」は特に風が強く列車も倒れたことがあるという。

 ゴビタンの途中に風力発電の「風車」が200塔ぐらいも立っている場所もあった。

 写真は支援車両のバスに風で大きな石が飛んで来てガラスにひびが入ったので、中国の支援隊がガムテープを貼って応急処置をしているところ。ガラスが割れてしまえば風が入りバスは使用できなくなる。バスは、支援する医者や通訳を乗せ、荷物を積んだりリタイヤした隊員を収容したり、風の強いときバスの中で食事をとるように用意した無くてはならないものだ。

 腰にはピストルが見える。私たちのウォークに支援で付いてくれた5名の警察官はパトカーに軽機関銃まで所持していた。夜も2時間交代で不眠の警護をしてくれた。

 私たちが拉致されたりしないようにとの配慮であった。少々物騒ではあったが一緒にトランプをしたり、腕相撲したり和気あいあいと交流できた。

ウイグルの子供たちと
ウイグルの子供たちと

点滴を処方される隊員が続出

 

 休憩地点では点滴を処方される隊員も多かった。45度の気温は初めての経験であった。食事も喉を通らず、下痢をする隊員が続出した。トイレはもちろん無く女子隊員は苦労した。あまり暑いので出発は太陽の出ていない暗いうちに出発し距離をかせいだ。冷蔵庫はもちろん無いので肉はすぐ腐るので、ニワトリなどは生きたまま足を結ばれトラックの荷台に積まれていた。

 最初の日に日本から同行した看護婦さんが高熱を出して倒れたり、あまりの暑で熱射病に倒れる隊員が続出した。蜃気楼が見えたり、砂嵐に遭ったり体力・気力の行軍であった。

 湿度が低く、鼻の粘膜が乾き鼻をかむと鼻血が出た。濡れたタオルを干すと5分もすれば乾いてしまうほどであった。中には虫歯が痛くなり我慢できず遠い先の病院まで通訳と車をつかまえ治療に行った隊員もいた。中国では虫歯はだらしない人がなるということで、支援車両の使用を拒否された。まあその通りかも知れないが。抜かれた隊員は、日本であれば軽い治療で済むような立派な歯をろくに麻酔もしないでペンチのような物で抜かれ恨めしそうに歯を持ち帰ってきた。

トルファンへの道
トルファンへの道

感動のゴール 

 

 ゴールでは皆で泣いた。中国の支援スタッフも抱きついてきて泣いた。その夜完歩パーティでは緊張が融け、しこたま飲んだ。歓喜に湧く隊員たちは夜のウルムチに飛び出し浮かれているころ、私は飲み過ぎて一人さみしく生まれて初めての点滴を処方されていたのだった・・・。

 熱砂への挑戦、中国スタッフを入れ総勢51人。1日平均43キロ以上14日間の暑く苦しい、だが楽しい戦いだった605キロウォークはこうして終わりを告げた。

 この実現不可能とも思われたウォークの成功は孫の代まで語り継がれるだろう。

 そしてオジンやオバンの熱い夏は終わったと思っていたら、また4次・5次・6次とローマまで続いたのであった。

 

栄誉賞をいただく

  

 中国の人々は何で気温が45度もあるゴビタンを歩くのかわからなかった。車やラクダもあるじないか。足のマメが潰れても懸命に歩く姿を見て中国の支援隊も感動した。

 そして、真摯な中国のサポートによりゴールできた。ウルムチの副市長は完歩パーティの祝辞で「この偉業は、中国精鋭部隊でも難しいだろう。私たちは皆さんを見習わなければいけない」と全員に栄誉賞を贈呈した。今もこのウォークコースを観光バスが通ると「馬鹿な日本人がここを歩きました」と説明があるという。

シルクロードウォークヘ挑戦した6回の記録を詳しく紹介しています。

十和田湖ウォーク

和井内付近を歩く。ゴールはもうすぐだ。
和井内付近を歩く。ゴールはもうすぐだ。

 

十和田湖ウォークのはじまり

 

 自然・ロマン・ふれあいをテーマとした、第34回十和田湖ウォークが7月24日に開催されました。日本全国から1200人以上の参加者が集まったこのウォークイベントは、34年前に誕生しました。
 それは、私がウォーキングに目覚めた時期でもあります。会社の仲間とお酒を飲みながら、十和田湖を歩いて一周した人を聞いたことがない・・・というところから始まりました。お酒の勢いもあって3人で即一周することを約束したのです。早速次の休日の前夜に、十和田湖の子ノ口を出発しました。そのとき一周した約50キロの距離は私が生まれて初めて歩いた距離だったのです。一周し終えたときの感動は大きく、今でも昨日のことのように覚えています。

十和田湖ウォークの魅力は一周の景色が素晴らしいこともある
十和田湖ウォークの魅力は一周の景色が素晴らしいこともある

ウォークの感動でクラブを創立 

 

 歩き始めたのは、夜の9時ごろだったと思います。一周を約12時間かけて仮眠もとらず完歩したのです。足の痛みも心地よいと感じました。夜空の星がきれ いだったこと、ブナの木のざわめき、小鳥のさえずり。明け方になると湖は薄紫色になり、日の出とともに金色に輝きました。そして、その色はグリーン、ブ ルーへと変わっていきます。道端に咲くガクアジサイの花、湖の匂い、ホタル・・・これらすべて歩いてみなければ体感できないことなのです。十和田湖を車で 一周すれば約1時間ですみます。それでも十和田湖の素晴らしさは十分味わうことができますが、歩いて回れば十和田湖の自然を体で感じることができるのです。足の痛みに耐え、友と励まして歩いたあの日は忘れることができません。そして、この感動を多くの人に感じていただきたいと思い創立したのが「ウォーキングクラブ MTC21」でした。クラブ創立にご尽力いただいた高橋雅夫氏(当時八戸グランドホテル総支配人)が急逝されたことから、氏が21世紀に羽ばたくという願 いを込めたクラブ名称としました。

ボランティアは、主婦や学生が多い。ゴールで感動をいただいている。
ボランティアは、主婦や学生が多い。ゴールで感動をいただいている。

青森県は自然の宝庫

 

 十和田湖ウォークは、すべてボランティアの力で運営されています。そして、大自然に恵まれた国立公園十和田湖を舞台に、華やかに繰り広げられるこの ウォークは日本一だと思います。 最近の参加者の傾向を見ますと、家族、会社ぐるみ、学校ぐるみ、年配者、県外の方が多くなっているようです。参加者が多 いのは、一度参加した人の、口こみによるところが大きいのではないかと考えます。また、それだけ十和田湖の景観、道のりといったものが素晴らしいと
いうことなのでしょう。このように、青森県は八甲田山や十和田湖、津軽・下北半島、白神山地など美しい自然に恵まれています。そして、その自然は四季折々 に違った表情を見せてくれます。こうした自然の美しさは歩いているときこそ一番強烈に目に映ります。青森県は、ウォーキングのフィールドとしてはかなり好 条件を満たしていると言えます。

ゴールを果たした参加者
ゴールを果たした参加者

 

ウォーキングの魅力

 

 長時間走るのは大変だが歩くのは大丈夫、という人はたくさんいると思います。子供でも年配者でも自分のペースで歩けばよいのです。朝早く起きて、近所を歩いてみましょう。休みの日は少し遠出をしてみてはどうでしょうか。山でも海でも、公園でも、きっと新しい発見があるはずです。歩けばお腹も減ります。血行も良くなります。歩きながらだったら話しが出来ますし話題も多くなります。
「いつも通る道を歩いていて、道端に咲いているきれいな花を見過ごしていませんか?」
「あなたはその花を素直にきれいだと感じることができますか?」
「四季をとおして自然を感じることができますか?」
「私たちは感受性が麻痺しているのではないでしょうか?」
 家の中にばかりいないで、毎日無理なく少しずつ距離をのばして歩いてみましょう。一人じゃちょっとという方は、友人とか夫婦でとか、子供や孫と歩いてみましょう。コミュニケーションができ家の中も明るくなります。  

ゴールで喜ぶ中学生
ゴールで喜ぶ中学生

ウォーキングの薦め

 

 歩くことは難しいことではありません。ただ、健康のために歩くなら、ある程度の距離を少し早めに、30分以上歩くことを勧めます。そして、長い距離を歩くときは、それなりの装備と心構えが必要となります。道路がアスファルトのときは、靴は踵に負担がかからないように底が軟らかいものがいいでしょう。最近は靴屋さんでウォーキングシューズも売っています。服はトレパンのような歩行を邪魔しないものがよいと思います。ジーンズなどは雨に濡れると重くなるし、歩きにくいので履かないほうが無難です。長時間歩くと手がむくんできますから、軍手など手袋の着用を勧めます。帽子や雨具、救急ばんそうこは必需品です。長い距離を歩くとき、心配なのがマメです。靴下が汗で濡れると摩擦が大きくなり、マメができやすくなります。予防するには、替えの靴下を持ち、汗をかいたら履き替えることが一番。また、最初からマメのできやすい箇所に、ばんそうこうやガムテープを張ったりすることもよいと思います。

祝杯のビールを持ってゴールする。毎年参加している強者だ。
祝杯のビールを持ってゴールする。毎年参加している強者だ。

ウォーキングでのマナー 

 

 最低限のマナーとしてゴミを捨てたり、山野草を取らないこと。自然は次ぎの世代へと受け継がれていくものです。せっかくの美しい景色も、道端にゴミが散乱していてはがっかりします。環境を守りながら、あなたもウォーキングで青森県の豊かな自然を感じてみませんか。さあ、まずは外に出てみましょう。そこからあなたの一歩が始まるのです。

十和田湖ウォークの魅力 (PDFでご覧になれます)

十和田湖ウォーク
十和田湖ウォーク

 ウォーキングクラブMTC21は、十和田湖ウォークを支援してくれるボランティアスタッフを募集しています。歩かなくても、ゴールしてくる参加者を見ていると同じ感動を共有できます。希望者は、MTC21事務局までお問い合わせください。

 十和田湖一周約50キロは、山あり谷ありで簡単に歩ける距離ではありません。最後は精神力の勝負となります。完歩した方は一生の思い出となることでしょう。

 

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